掲載されていない質問事項は、メールにてお尋ね下さい。

ICPC Q&A

●受診理由Q&A●

Q. 咳と痰がある場合は
A. 「痰を伴う咳」は咳R05だけコードする決まりになっています(痰R25はコードしない)

Q. 嘔吐と嘔気がある場合
A. 嘔吐D10だけコードします(嘔気D09はコードしない)

Q. 腹痛はD02とD06の区別がわからないのですが。
A. D02は胃痛と本人が訴えるか、心窩部痛の場合です。D06はそれ以外の局所の腹痛としてコードして下さい。

Q. 「血圧が高いので来ました」という方の場合の受診理由コードはK25「高血圧の心配」なのかK85「血圧の上昇」なのかわかりません
A. 初診の場合と既に治療中の方が来られた場合を分けて考えましょう。
初診の場合や高血圧の診断がついていない方は、K25高血圧の心配 が受診理由のコードになります。
すでに高血圧の診断がついている方や治療中の方は、受診理由としては次の二つの場合が考えられます。

1.いつもより高いと思うので来た あるいは 高血圧の診断基準を満たさない血圧の高い方・・・K85血圧の上昇

2−1.いつものように血圧を測りに来た・・・K31「循環器の診察/健康診断(部分)」
2−2.いつもの高血圧の薬を希望してきた・・・K50「循環器の投薬/新規処方/変更/注射」
(K31とK50はどちらか、あるいは両方のコードになります。)

ちなみにK25「高血圧の心配」とK85「血圧の上昇」の説明は下記のようになっています。

K25高血圧の心配
高血圧の診断がついていればその疾患のコードをつける
高血圧ではないか、未だその診断がついていない患者が高血圧に対する心配をもつとき

K85血圧の上昇
K86、K87の診断基準を満たさない血圧の上昇、一過性または不安定な高血圧。 白衣高血圧


Q. 単に「貧血」だと訴える場合のコードはどうすればいいでしょう。
A. B04「血液の症状/愁訴」です。
ただし、いわゆる「脳貧血」である場合は低血圧K29「その他の循環器の症状/愁訴」です。
受診者が明確に病名を述べている場合は、その病名を受診理由のコードにします。医師の判断ではなく、あくまで、本人がどう思っているかで受診理由をコードして下さい。


●診断名Q&A●

Q. 診断がつかなかった場合どうなりますか?
A. 診断名がつかない場合は、受診理由をそのまま診断として下さい。

Q. 異常がなかった場合どうなりますか?
A. この場合に診断名に使用するコードは、A97疾患無しというものがあります。
一方、このコードを受診理由に用いる場合としては、ICPC2の原本には、「家庭医にはその守備範囲で診断を下せないような愁訴を持って患者が来院する場合があります。このような場合に家庭医や総合診療医は患者の受診理由が自分の責任の持てる範疇でないということを説明する代わりにこのA97というコードをつけることがあります。」という注釈がありますが、受診理由としてのA97はあくまで例外的と考えた方が良いでしょう。小生の数千例のコード化の経験ではこのコードを受診理由に使用したことはありません。診断名コードとしては何度もあります。

Q. 流行性耳下線炎と急性耳下腺炎のコードは?
A. 流行性耳下線炎はD71です。ムンプスではない、急性耳下腺炎はD83の「口腔/舌/口唇の疾患」になります。

Q. だるい(A04)に対して、疲労としか診断しえないときは疲労(A04)を診断としてよいでしょうか。
A. その通りです。

Q. 同一人で、咳(R05)発熱(A03)に対して、どちらも診断(感冒R74)とすると受診理由と診断が2つずつとなりますが、いいのでしょうか。
A. もちろんOKです。ICPCが主訴ではなく愁訴(いくつも可)を対象にしていますので大丈夫です。

Q. 検診結果(A60)で、尿潜血のみの異常の時、A35(尿潜血陽性)とU6(血尿)ですが診断病名はどちらが妥当でしょうか。
A. (尿潜血陽性)は検査値の異常、(血尿)には自覚的な肉眼的血尿と他覚的顕微鏡的血尿を含みます。検診での症状がない場合であれば(尿潜血陽性)が適当ではないでしょうか。

Q. やけど(S14)は診断も(S14のやけど)でしょうか。
A. その通りです。